こんにちは、制作担当の万作です。
今回は、革の裁断後の床処理、コバ処理についてお話ししたいと思います。
少しマニアックなお話しになると思いますが、革の性質や、どのように商品を作っているかなど少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです。
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製作工程紹介 ①打ち合わせ編 はこちら
革小物ができるまで。〜①打ち合わせ〜製作工程紹介 ②型紙作り編 はこちら
革小物ができるまで。〜②型紙作り〜製作工程紹介 ③裁断編 はこちら
革小物ができるまで。〜③裁断 〜製作工程紹介 ③裁断 続編 はこちら
革小物ができるまで。〜③裁断 -ブランドロゴ刻印〜
前回までは主にパーツ作りを紹介してきました。
各部品の裁断をする所までも時間はかかりますが、
部品が出来てから組み立てにいくまでの下処理もたくさん工程があります。
下処理といってもいくつかありますが、主に、
以下2つは、オーソドックスな工程になります。
・床処理 - 革の裏面(床面)の処理。
・コバ処理 - 革の側面(コバ、ヘリ)の処理。
床処理
床処理とは、革のそのままの状態だと毛羽立っていて見栄えも悪く、繊維がポロポロと剥がれてきます。そのため、専用液を使い、毛羽立ちを固まらせて、滑らかにする作業の事です。
床処理をするかしないかで、見た目も使いやすさも大きく違ってきます。
コバ処理
コバ処理とは、革の側面を滑らかに綺麗に仕上げする作業のことです。直接商品の良し悪しにも関わってくる工程なので特にこだわり、手間をかけて仕上げています。何工程もかけて処理する事もあります。
僕自身が町中やショッピングなどで、革製品を見る機会があると、いつもコバの処理と、ミシン目を見てしまいます。
どれだけ見た目が良い革製品でもコバ処理などが雑に行われていると、良い作品とは言えないからです。
コバ処理には、色々な方法がありますが、一例を紹介します。
出来上がった商品の端が、角張っていると触り心地も悪いので、角をカンナなどで、落としていきます。
バサバサしている側面も、先ほどの革の液体を塗り込んで毛羽立ちを抑えます。
その後、バフ機で、バフ仕上げ(磨き作業)を行い、さらに滑らかに綺麗に仕上げていきます。
最後の仕上げにオイルを塗ったり、色の付いた革専用の顔料や、染料をコーティングする事もあります。
色々な方法のコバ処理があるので、1度革製品の切れ端部分を見てみても面白いのではないでしょうか?
どんな物でもよく似たものがありふれていますが、何が違うかわからないけど、ずっと飽きずに使っていたり、何故か買い換えずに昔から使っている物ってありませんか?
そういった物はきっと目に見えにくい場所や、見えないところにもこだわって作られている物だと僕は思います。
ありがとうございました。