革好きの方なら一度は聞いたことがある「オイルレザー」という素材。
オイルレザーは、いろいろな革製品に使われることが多く、財布・コインケース・名刺入れなどの革小物から靴・ソファーなどにも使われる人気の高い素材です。
特にオイルレザーを使った革財布は人気です。
今回はオイルレザーが、財布をはじめとした多くの革製品に使われる人気の理由と、素材の特徴について解説します。
オイルレザーとは
オイルレザーとは、タンニンなめしを施す工程でオイルを豊富に染み込ませた革のことです。
オイルを染み込ませることで、革をよりしなやかにして耐久性をつけています。
素材としては、しっとりとした触り心地と上品な光沢(艶)があるのが特徴で、価格は工程に手間がかかるため少し高めになるのが一般的です。
なめし:動物の「皮」を、素材として使いやすい「革」に変化させる方法。
タンニンなめし:昔から行われている伝統的な「なめし」方法の一つで、植物から抽出したタンニン(渋)を含む溶液にじっくりと皮を漬け込む方法。手間はかかるが、出来上がった革は型崩れしにくく、革ならではのエイジング(経年変化)を楽しめる素材になる。
オイルレザーの3つの長所
ここでは、オイルレザーについてより深く知っていただくために、3つの長所について紹介します。
その他の革と比較したときに、どのような点がオイルレザーならではの魅力と言えるのかをお伝えしていきます。
①エイジング(経年変化)を楽しめる
オイルレザーはエイジングレザーとも言われるほどで、革ならではのエイジング(経年変化)を存分に楽しめることが一番の魅力です。
革にたっぷりオイルを染み込ませているため上品な光沢があり、使い込むうちに程よく染料の色が褪せて味のある色合いに変化します。
この独特なエイジングこそ、オイルレザーならではの魅力と言えるでしょう。
また、オイルレザーは本革の中でも特に傷や汚れに対応しやすい革です。
オイルレザーは、オイルの作用によって傷や汚れがつきにくく、特に傷は表面を指でこするだけでもオイルが溶け出してすぐに馴染んでいきます。
溶け出したオイルを馴染ませることで味のあるエイジングにつながります。
②手入れが簡単
指でこするだけでも細かい傷をケアできるオイルレザーですが、長く愛用するためには定期的な手入れが必要です。その手入れが簡単なのもオイルレザーの魅力といえます。
手入れといっても、月に1回程度の頻度で5分もあれば完了するほど簡単です。
また、使い始めは浸透しているオイルが保湿剤代わりになるので、表面を乾拭きするだけの手入れで十分です。
ある程度使い込んだ後は定期的な手入れをするとより長持ちさせることができます。表面の油分が少なくなり乾燥が目立つようになってきたら手入れを始めましょう。
※乾拭きは、柔らかい綿素材の布(肌着などでも代用可)で行ないましょう。
③耐久性が高い
オイルレザーはなめしの工程で革にオイルを染み込ませているため、しなやかで耐久性が高い素材です。
耐久性の高さから、ソファーやカバン、登山靴などにも使用されています。
また、オイルが含まれているため撥水作用もあり、少量の水分ならはじくことができます。(※ある程度の撥水作用はありますが、濡れてしまった後にはしっかり乾拭きしましょう)
革好きが愛用する「プルアップオイルレザー」とは
オイルレザーの中で、特に人気の素材に「プルアップオイルレザー」があります。
「プルアップオイルレザー」は、通常のオイルレザーよりもさらに多くのオイルを含ませた革のことをいい、財布の素材としてもよく使われます。
革を引っ張ったり折り曲げた時にオイルが染み出して表面の色合いが変わる「プルアップ効果」が名前の由来で、しっとりした質感とエイジングしやすいのが特徴です。
「プルアップオイルレザー」は、一般的なオイルレザーよりもさらに時間をかけて丁寧にオイルを染み込ませています。そのため独特なエイジングで、特に手入れをしなくても革の表情に豊かな変化をもたらします。
使い込むほどに上質で美しいツヤが出てくる革職人のこだわりが詰まったレザーなのです。
革好きの方にはぜひとも「プルアップオイルレザー」の独特なエイジングを味わっていただきたいです。
オイルレザー財布のお手入れ方法
オイルレザーは、定期的にクリームとブラシを使って手入れするだけで長く愛用できます。
オイルレザー財布の場合、具体的に下記のような流れで月に1〜2回程度の手入れをすると良いでしょう。
- ブラッシング
- 乾拭き
- レザークリーム塗布
- ブラッシング
- 乾拭き
- 防水スプレーをかける
お手入れ方法をより詳しく知りたい方は、別記事の「革製品、レザーを綺麗に長く使うためのクリームを使ったお手入れ方法。」で紹介していますので、あわせてご覧ください。
その他の革素材
革財布・革製品によく使われるレザーには、オイルレザーの他にも「ヌメ革」や「顔料仕上げの革」などいろんな種類があります。
革ごとに特徴があるので、それぞれの特徴を理解した上で自分に合った革製品選びをすることが大切です。
ここでは「ヌメ革」「顔料仕上げの革」の特徴について紹介します。
ヌメ革
数ある革の中でも最も革らしく、革本来の触り心地が楽しめる素材です。
もともとの皮についていた傷痕やシワ・血管などが残っているため、革の表情がとても個性的になります。オイルレザーと同様に本革らしいエイジングを楽しめます。
ただ無塗装で防傷加工もしていないため、汚れやすく傷がつきやすい点は注意が必要です。
天然皮革らしさを残す代わりに、オイルレザーと比べるとこまめな手入れが必要になります。
顔料仕上げの革
顔料仕上げの革は、革の表面を顔料で覆うようにコーティングして着色します。
顔料で覆うため、傷や水分に強く丈夫で、手入れも簡単に行なうことができます。また、革を作る工程にそこまで手間がかからないため、比較的安価なのも特徴の一つ。
しかし、革ならではの質感が損なわれてしまいエイジングもほとんどありません。革の表情の変化を楽しみたい人にとってはおすすめできない素材です。
逆に、新品のままのビビットな色合いを楽しみたい人にとっては顔料仕上げの革がおすすめといえます。
まとめ
今回は、革財布・革製品によく使用される素材「オイルレザー」について紹介しました。
オイルレザーは、革ならではのエイジングが楽しめ、耐久性が高くて手入れもしやすい、もっともバランスが良い革素材です。
革好きの方にぜひおすすめしたい素材で、その中でも特にプルアップオイルレザーを使った革製品はおすすめです。
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よかったらチェックしてみてくださいね。