世界三大レザーをご存知でしょうか？

その3つの革とは、イギリスの「ブライドルレザー」、アメリカの「コードバン」、イタリアの「イタリアンレザー」です。

イタリアンレザーは、一般的にイタリアのフィレンツェ州のサンタクローチェ地方で作られた牛革を主体とした革のことを指します。

イタリアの革産業は大きく、1,100社以上の企業があり、約17,000人の労働者が働き、35億ユーロ(約5,008億円)の年間売上があります。また、EUの革生産の約60%を占めています。

今回は、イタリアンレザーを扱う革製品ブランド「BELMORE」と「CARL FRIEDRIK」の記事を主に参照しながら、イタリアンレザーが評価される理由・革の特徴・お手入れ方法をご紹介します。

イタリアンレザー製の革小物を使ってみたいとお考えの方の参考になれば幸いです。

イタリアンレザーが評価される理由

イタリアンレザーが評価される理由は、700年以上続く伝統とベジタブルタンニン鞣しの製法が挙げられます。

①700年以上続く伝統

イタリアンレザーの始まりは何世紀も前に遡りますが、1282年にイタリアのフィレンツェで「Arte dei Cuoiai」という皮革同業組合が誕生したときにイタリアの革業界は形になりました。

そのような同業者組合は、イタリア語でArti(アルティ)と表記し、12世紀から16世紀にかけてフィレンツェの商業における業務の品質管理を目的に結成されていました。

職種は、皮革製造に限らず裁判官、銀行、絹織物業、医師薬剤師など様々です。

皮革同業組合「Arte dei Cuoiai」は、フィレンツェにあった多くのプロフェッショナルな同業者組合の一つでした。

イタリアンレザーは、このような組織的な品質管理によって高い品質を保ち、国際的な競争力を維持することができました。

さらに、20世紀初頭、Prada（1913）、Gucci（1921）、Ferragamo（1927）など、世界有数のファッションブランドがイタリアンレザー製の革製品を販売し始めました。

3つの有名ブランドの革製品に対するその後数十年間の需要は、イタリアの皮革産業の地位を成長させました。

現在でも熟練の革職人がフィレンツェからピサのアルノ川付近で多く働いており、活動を続けています。

このような700年以上前から何世代にも渡る革職人による品質向上への取り組みと知識の継承がイタリアンレザーが世界で評価されている理由のひとつと言えます。

②ベジタブルタンニン鞣しの製法

植物タンニンを使用

様々な種類があるイタリアンレザーの中でも人気な革の種類は、ベジタブルタンニン鞣しのイタリアンレザーです。

皮は、植物タンニン(樹皮に含まれる天然成分)を使用して染色されます。

イタリアンの伝統的なバケッタ製法の工程は、ほとんど手作業で行われ、完成まで2ヶ月を要することもあります。

熟練のタンナーによる700年間伝承されてきた植物タンニンのブレンド具合により、ベジタブルタンニン鞣しのイタリアンレザー 独特の色と質感を実現しています。

この製法により、強く長持ちする世界が称する革に仕上がります。

高度な分業プロセス

ベジタブルタンニン鞣しのイタリアンレザーの製造プロセスは、各段階ごとに高度に専門化されています。

最長2ヶ月続くという長くて複雑な手順を細かく分業することは、各プロセスの効率化と専門知識の向上に繋がり、高品質なイタリアンレザーを生産することを可能にしています。

このように植物タンニンによる独自の鞣し方と高度な分業プロセスにより耐久性のある高品質な革を維持してきたからこそ、イタリアンレザーは世界で評価されています。

ベジタブルタンニン鞣しイタリアンレザーの特徴

ベジタブルタンニン鞣しのイタリアンレザーは、オイルを多く含んでいます。手触りは、柔らかくしっとりしています。

革にオイルがしっかり染み込んでいるので、乾燥によって傷みにくく耐久性があります。強く長持ちする革なので、靴やバッグなど頻繁に使用するアイテムでも長く愛用できます。

バケッタ製法による手作業の染色を行うため、 機械で制作された革に比べて色ムラやシミがありひとつひとつの革に個性がでるのも特徴です。

また、革表面に加工がほとんど施されていないので、革本来の風合いを楽しむことができます。

そして、時間の経過とともにツヤが増して柔らかく変化していきます。

ベジタブルタンニン鞣しイタリアンレザーお手入れ方法

充分にオイルを含んだイタリアンレザーは基本的にオイルメンテナンスは必要ではありません。

革用の布で乾拭きしていただくだけでツヤが出てきます。もし汚れがついた場合は同様に布で乾拭きしてメンテナンスを行って下さい。

あまりお手入れに手をかけたくない方におすすめなレザーです。

まとめ

今回はイタリアンレザーが評価される理由・ベジタブルタンニン鞣しイタリアンレザーの特徴・お手入れ方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

イタリアンレザーの革小物を検討中の方の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参照元：
Italian leather: pushing through the pandemic
WHY IS ITALIAN LEATHER THE BEST IN THE WORLD?
Italian leather: the best leather in the world?
イタリアンレザーとは？3つの特徴と人気のある5種類を徹底解説！