革のお手入れには市販の革用ワックスを購入する方が多いかと思います。
しかし、革用ワックス選びにおいて、安心して使用できる天然成分を選ぶことはできますが、好きな香りを選ぶことは難しいのではないでしょうか。
そこで今回は、好きな香りの精油を使って手作りできる革用ワックスの作り方をご紹介します。蜜蝋以外は家にある道具や材料を使用しました。椿油を主な材料として使うので、UV効果・保湿効果が期待できます。
天然成分で安心してお使いいただけることはもちろん、香りを楽しみながらお手入れできるのでおすすめです。ぜひ最後までご覧ください。
革用ワックスとクリーム目的の違い
革用のケア用品には、大きくクリームとワックスに分けることができます。それぞれの目的は下記のとおりです。
乳化性クリーム 保湿効果、革をしなやかにする。
油性クリーム 革に栄養を与え艶を出す。
デリケートクリーム 保湿効果、艶出しの効果はない。
油性ワックス 鏡面磨き(艶だし)に効果がある。
ラナパーの使い方を解説!理想的な量や頻度、塗りすぎたときの対処法とは?
今回手作りしていく油性ワックスは、鏡面磨き(艶だし)を目的に使用します。
手作り革用ワックスを使用した変化(塗布10分後)
栃木レザーヌメ革のビフォーアフター
作り方を紹介する前に、どのような仕上がりになるのか気になると思いますので、栃木レザーヌメ革の手作りワックス使用前と使用後を見ていきます。
塗布10分後の色の変化
塗布10分後のつやの変化
全体的に色が濃くなり油分が補給され、艶が増しました。また、さらっとした仕上がりで、ベタつきはありません。
綿の布で伸ばしたのですが、伸ばしやすく軽い質感です。最後に簡単に行えるケア手順も紹介します。
塗布10分後香りの変化
塗布直後の一日であればほんのり精油の香りが残っています。
手作り革用ワックス作り方
用意するもの
- アルミ容器30g(今回の材料がちょうどよく収まります)
- 精油(お好みのもの)
- 椿油
- 蜜蝋
- お湯(湯煎用)
- 琺瑯容器(ステンレスなど熱を通す容器であればOK)
- ボール(鍋などお湯をたっぷり入れられる容器であればOK)
- スケール
- マドラー(箸などかき混ぜられるもの)
材料
- 蜜蝋(3g)
- 椿油(17g)
- 精油(5滴)
手順
①蜜蝋3gを容器に入れる
日本製 ビーズワックス みつろう (100g ホワイト)をamazonにて¥698で購入しました。
蜜蝋とは
蜜蝋(ミツロウ)は、ミツバチが六角形の巣を作る材料として、働き蜂の腹部にある分泌腺から分泌するロウのことです。
蜜蝋(ミツロウ)とは?
蜜蝋は、上記のようにミツバチから得られる天然成分のため、安心してお使いいただけます。
精製 蜜蝋の特徴
ミツバチの巣から集めた蝋の不純物を取り除き、薬品を使わずに漂白したワックス。
蜜蝋の未精製と精製の違い、おすすめについて
・ロットによる色や香りのバラつきが少ない。
未精製 蜜蝋の特徴
ビーズワックス・未精製・オーガニックは素材そのままの香りが残っていますので気になる方はホワイトまたはイエローからお試しください。
蜜蝋の未精製と精製の違い、おすすめについて
また、今回精製されたホワイト蜜蝋を選んだのは、不純物が取り除かれ、香りのばらつきが少ないためです。
未精製のものは、独特の香りが強いようです。今回のように精油を使った革用ワックスを手作りする際には、精製・ホワイトのものを選びましょう。
蜜蝋の保湿効果
主成分はワックスエステル(パルミチン酸ミリシルなど)で優れた保湿性と光沢があり、化粧品にも使われています。
蜜蝋(ミツロウ)とは?
そして、蜜蝋には、保湿性があるため、革の保湿に効果的です。
②椿油を17gを容器に入れる
分量のほとんどを占めるオイルには、大島椿 ヘアオイルを使用しました。ドラッグストアで¥1,400ほどで入手できます。今回、椿油を材料に選んだ理由には、革に嬉しい2つの効果があるからです。
1. 椿油の保湿効果
椿油を肌に使用することで、皮脂不足による水分の蒸発を防ぎ、潤いを保つ効果があります。潤いのある肌は外部からのダメージを予防してくれるため、肌の保護機能を高めてくれます。
わかさ生活 椿油
椿油は、このように潤いを保つ効果があるので、革に塗れば表面の保護機能を高めてくれます。
2. 椿油のUV効果
椿油は、B波紫外線を吸収しますのでUVBによる日焼けを防止する効果があります。ただし、通常の日焼け止め製品ほど紫外線を吸収する力は大きくありませんので、生活紫外線による日焼け防止としてお使いください。
黒ばら純椿油 よくあるご質問
そして、椿油には、このように生活紫外線の日焼け防止効果があるので、日焼けによる革へのダメージを防ぐことができます。
③お好きな香りの精油を5滴容器に入れる
精油とは
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。
AEAJ 精油とは
今回使用した精油は、北麓草水(ほくろくそうすい)という日本のスキンケアブランドの葡萄の香りを使用しました。お好みの香りをご使用ください。
下記のようなリラックス効果のある精油を使うのもおすすめです。
リラックスに効果的な精油3選
1. ラベンダー
数あるアロマの中でも人気の高いラベンダー。フローラルで優雅な香りが女性に人気です。緊張やストレス感を和らげ、気持ちを落ち着かせてくれます。
リラックスできる香りやアイテム
2. ベルガモット
オレンジに少し似ている、柑橘系のフルーティーな香りが特徴のベルガモット。紅茶の香りとしてもお馴染みです。リラックスとリフレッシュ、両方の効果を持つといわれています。
リラックスできる香りやアイテム
3. サンダルウッド
エキゾチックな香りが特徴のサンダルウッドはお香にも使われており、日本人には馴染み深い香りです。
リラックスできる香りやアイテム
④100℃に沸騰させた湯栓用のお湯をボールに入れる
⑤蜜蝋が溶けるまでマドラーで1分ほど混ぜる
ポイントは、蜜蝋を完全に溶かして、椿油と精油をしっかり馴染ませる事です。しっかり混ぜることで、分離することなく滑らかな仕上がりのクリームになります。
⑥30gのアルミ容器に移します
精油は熱に弱いという特徴がありますので、香りをより強い仕上がりにしたい方は、手順を遅らせて、このアルミ容器に入れた時点で精油5滴を加えて固まる前に混ぜてください。
⑦5分ほど放置して、固まったら完成
椿油、蜜蝋、精油という天然成分のみで作った革用ワックスが完成しました。香りの持ちですが、一週間経ってもきちんと精油の香りが残っていました。
手作りワックスでお手入れ
用意するもの
- 綿の布
- 手作り革用ワックス
手順
①少量綿の布にワックスを取ります
少量を綿の布に直径1cmほどでとっていきます。
②満遍なく円を描くようにワックスを伸ばします
あまり一箇所に多く塗ってしまうと染みの原因となってしまうので、少量ずつ満遍なく塗っていきましょう。
ワックスに含まれた精油の香りを楽しみながら、お手入れしていただけます。
また、この手作りワックスでお手入れすることで、椿油のUV効果と保湿効果が期待できます。
手作り革用ワックスを使用した変化(塗布10分後&7日後)
栃木レザーヌメ革のビフォーアフター
冒頭でご紹介した塗布直後のビフォーアフターに加え、7日後の写真も追加して色とツヤを比較しました。
塗布10分後と7日後の色の変化
7日後は、10分後よりも色が薄くなり、ムラがなくなり均等になりました。
塗布10分後のつやの変化
塗布7日後のツヤの変化
7日後も手触りもべたつくことなく、さらっとした手触りですが、ツヤはしっかり出ていました。
今回使用した主なオイルは、動物性由来のオイルではなく、植物性オイルの椿油を使用しているため軽い質感の仕上がりになります。
塗布7日後香りの変化
精油の香りは、1週間後には財布から消えてしまっていました。お手入れ中と塗布直後のほんのり残る香りをお楽しみください。
まとめ
今回は、椿油・蜜蝋・精油で手作りする革用ワックスの手順とお手入れ後の様子を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
UV効果と保湿効果のある手作りワックスで好きな香りを楽しみながら、お気に入りの革小物のお手入れを楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回使用したアイテム
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※ナチュラルカラーはサンプルのため販売していません。