ハレルヤでは、オイルを多く含んだプルアップレザーを始め、様々な革でお財布や鞄を作成してきました。その中のひとつに、根強い人気レザーであるベジタブルタンニンレザー(植物性タンニン鞣し)も使用しています。

今回は、そのベジタブルタンニンなめしに興味を持った方へ分かりやすくご説明していきます。

どんな革?ベジタブルタンニン鞣しの特徴と魅力

言い方は、様々ですが、「植物タンニン鞣し」も「ベジタブルタンニン鞣し」も言い方が違うだけで革自体は一緒です。タンニンを「渋(しぶ)」ということから渋鞣しと呼ばれたりもします。

植物タンニンの「植物」という言葉を使っている通り、植物から取れるタンニンを使って皮を鞣す(紀元前から続くなめし)方法のひとつで手間暇がかかった温かみのある革と言うのが特徴です。

自然の素材のみで作っているので、土に返る環境に優しい製品とも言われています。環境にも優しい革というのはとても魅力的ですよね!

鞣しの工程をしなければ動物の皮革は腐食していきます。それを防ぐために動物の「皮」を植物タンニンに漬け込み、鞣す作業を行います。

そして、鞣しが終わった「」が商品として手元に届く「」と呼ばれます。

ベジタブルタンニンに使われる植物は?

欧州、北米に生息するオークの木は歴史が古く、そこから現在に至るまでに使用される植物は世界中で150種類以上にもなります。

植物の木質部、樹皮、葉、枝、実、根などほぼすべての箇所にあり、その植物が生き物によって傷つけられることを防ぐ役割を持っているのがタンニンの役割だそうです。

木自体が身を保護するための成分を最初に革に代用した人って間違いなく地球の歴史変えてますよね笑

古くはそれらを粉砕し水に浸していたものを、現在ではエキスを抽出して樽で鞣す方法にまで進化しています。

主に使用する植物▼
ミモザ・ケブラチョ・チェストナット・オーク・ミズナラなど。

生息する地域でタンニンの成分が多いものを見つけている為、今後も見つかると思うとちょっとワクワクします。

植物タンニンのタンニンって?

タンニンとは、植物に含まれるポリフェノール化合物の一種のことです。(ムズカシイ...)

植物組織の中に、溶液として存在しています。皮革工業では「タンニン」食品では「カテキン」「ポリフェノール」などと呼ばれています。

確かにカテキンが多いお茶を飲むと渋かったりするのはこういうことだったんですね〜。

実際に日常の身の回りにもタンニンは身近です。ポリフェノールはチョコレートにも多く含まれているのでタンニンは人にも革にも健康な成分と言うことがわかります。

海外ではビールやワインを作る為の樽がタンニンが多く含まれるオークで作られ、その樽で作られたお酒は美味しくなることが分かりました。

これは、オークから出たタンニンが渋味を引き出したことで起こったと考えられています。

このようにタンニンは、鞣しだけでなく、私たちの生活にも活用されています。

知っておくべきポイント

ベジタブルタンニンレザーの知っておくべきポイント

  1. 革本来の表情
  2. エイジング
  3. 堅い革から手に馴染む柔らかさへ

革本来の表情

タンニンなめしの革は最初は硬い触り心地ですが使い続けることで硬さが取れて、しなやかに扱いやすくなります。革本来の表情を活かしているので傷や動物本来の風合いもそのまま活かされて仕上がるので唯一無二感が味わえます。

エイジング

エイジングがしやすいのもポイントになります。味わい深い経年変化は、タンニンの変化と、革に含まれる油分がポイントとなります。紫外線に当たったり、空気中の酸素に触れることで酸化して色が変化しやすいのがベジタブルタンニン鞣しの特徴です。

左:使い始め 右:エイジング後

堅い革から手に馴染む柔らかさへ

ハレルヤのベジタブルタンニンレザーはとても柔らかいです。薄くて軽い革を採用しており、それでいて革自体はしっかりと詰まっています。他ブランドで扱われているベジタブルタンニンレザーは牛革や馬革などにより異なりますが比較的厚みがあり使うにつれて柔らかくなり手に馴染んでいく印象です。

ハレルヤでは、最初から柔らかいので使い始めのちょっとした使いずらさなどは無いのも、人気の理由のひとつです。

芯材を取り除いた二つ折り財布
エイジングされているがま口長財布

こんな人にオススメ!

では、ベジタブルタンニンレザーを使うのに「オススメする人」はどんな人なのか?まとめてみました。

【こんな人にオススメ!】▶︎

  • エイジングを楽しみたい。
  • 定期的なメンテナンスを楽しめる人。
  • 革本来の傷も魅力と感じている人。
  • 環境に優しいものを選ぶ人。
  • 長くモノを使い続けたいと思っている人。

が当てはまる人にはとても楽しめる革になります。

反対に、お手入れの手間がそれほど必要が無く扱いやすい革製品を好む方は、クロム鞣しがオススメ。

クロムは塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品。ドイツで開発された鞣し方法。

・革本来の表情(傷など)が好みでない人。
・メンテナンスは時々するくらいがいい人。
・軽いレザーが好きな人。


クロム鞣しは耐水性にも優れており、柔らかいのが特徴です。耐久性があるので、主にカバンや靴、ソファなどに使われることが多いです。
※ただし、エイジングの変化があまりないのでご注意を!

まとめ

いかがでしたでしょうか?こうして、何気なく使っていたアイテムの歴史などを改めて振り返るともっと愛着が湧いてきませんか?

これからベジタブルタンニンレザーのアイテムを検討している方の参考になればウレシイです!

ハレルヤではベジタブルタンニン鞣しを使用したアイテムが増えています。ペンケースからポーチ、リュックなど色々展開していますので一度覗いてみてください。

お気に入りが見つかりますように!