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今回は、買い替えサインが出ているお財布を使っている方のために、次のお財布に買い換えるまでの間にできる金具の破損・傷・糸のホツレ・角擦れ・変形の5つのサイン別に身近なものを使った応急処置(セルフメンテナンス)方法をご紹介します。
そろそろ革財布を買い換える時期とは分かっていても、次のお財布を拘って選びたかったり、買い物に行く時間を確保できなかったりと、すぐに新しいお財布を用意できない方もいるのではないでしょうか。
今回ご紹介する方法では、用意するアイテムはおうちにある身近なもので、3分あれば応急処置ができてしまいます。ビフォーアフター画像も載せてますので、見てみてください。
当記事を参考に革財布を買い換えるまでの期間を凌ぐお手伝いができれば幸いです。
革財布の買い替えサイン5つを身近なもので応急処置!所有時間3分でできるセルフメンテナンスをご紹介!
前回の記事▶︎「革財布の寿命って何年?買い替えサイン5つと長持ちする財布を選ぶコツ3つ」では、革財布の買い替えサインを5つ紹介しました。そのサイン「金具の破損」「複数の傷や糸のほつれ」「ひび割れ」「角スレ」「変形」に対してできる応急処置を早速紹介していきます。
金具の破損
ファスナーの滑りが悪い:ファスナー にロウソクを塗る、10回開閉する
お財布の金具トラブルで多いのがファスナーの開閉ではないでしょうか。支払いの際にファスナーがうまく開閉できなければ、使うのが億劫になってしまいますよね。少しの引っかかりが気になる場合、ローソクを使えば簡単に改善できます。
詳しい記事▶︎【革のきほん】家庭でも出来る!ファスナーが硬くなった時の応急処置
ジッパーの滑りが悪くファスナーがうまく開かない場合には、ロウソクを使用します。
ファスナーを閉じた状態で、全体に薄く、優しく滑らせてロウを塗っていきます。この時の注意点は、強くガリガリとやらないことです。ロウが削れてこなが出てきてしまうので、優しく塗ってください。
引っ掛かりがひどい場合には、ファスナーを開けて、裏側からも同じように塗ってください。塗った部分を手で伸ばし、ファスナーにロウを馴染ませます。さらに、全体にしっかり馴染むようように何度か開け閉めを繰り返してください。
10回程度開閉を繰り返しても引っかかる箇所があれば、もう一度その部分にロウを塗り、再度開閉を繰り返してください。
こちらの方法でファスナーの滑りが改善されると思いますので、ぜひお試しください。
複数の傷
複数の傷: クロス(使い古しのTシャツ)でニベアクリームを塗る
お財布を使っていくうちに傷は増えていきます。ケアしたいけれど、レザークリームが家にない方もいると思います。そこで今回は、より家庭で身近な存在のニベアクリームをレザークリームとして代用する方法をおすすめしたいと思います。
ニベアクリームで革財布のケアはできるのか?
スタッフの感想「とりあえずの応急処置なら…?という感じです。レザークリームの値段ともそこまで大差がないのでよほどのことがない限りはレザークリームがオススメ。塗り始めの部分が少し残りやすいのも気になりました。急ぎでとりあえずケアしたい時くらいにした方が良さそう。」
といった感じでした。結果、今回の買い替え前の応急処置にニベアクリームを使ってみても良さそうです。
本格的なケアには、コロニル1909シュプリーム クリームがおすすめです。詳細はこちらからご覧いただけます。
コロニル1909シュプリーム クリーム ¥3,024(税込)レザークリームとニベアクリームの成分比較
動画でも紹介していますが、ニベアの成分のほとんどが油性成分です。レザークリームは【水(水性成分)・オイル(油性成分)・ロウ】がベース。水性成分と油性成分が使われているという括りでは、ニベアとレザークリームは類似性があります。
【ニベア成分】
■水性成分:グリセリン
■油性成分:ホホバ油/ミネラルオイル/ワセリン/シクロメチコンラノリン/アルコール/スクワラン/オレイン酸デシル/オクチルドデカノール/水添ポリイソブテン/イクロクリスタリンワックス/パラフィン
また、ニベアに含まれる油性成分はほとんどが石油由来です。石油由来の成分はベビーオイルなどにも使用されるので、肌と革にも安心してお使いいただけます。
クロスの種類はコットンを使用
今回ニベアクリームを使用したのは、プルアップレザーを使用した牛革長財布です。用意するアイテムは、ポリッシングクロスとニベアクリームです。
ポリッシングクロスの代用品として、きめ細かさは劣ってしまいますが応急処置には同じコットンを使用している使い古したTシャツなどの布でも大丈夫かと思います。
革製品を多く使っている方でしたら、一枚持っておくとケアに役立ちます。
複数箇所に傷がある状態のお財布です。こちらをニベア のクリームを使って、傷を目立ちにくく応急処置していきます。
パール粒ほどのニベア クリームをクロスに取ります。
円を描くように塗っていきます。こうすることで、満遍なくなく伸ばすことができます。伸びがそこまで良くないので、足りない場合にはクリームをその都度追加します。
クリームを塗りながら、傷部分はクロスで強めに擦ると目立ちにくくなります。縫い目に入ると少し取れにくいので、クロスでクリームを馴染ませてあげてください。
長財布の片側分の使用量として、ニベアクリームをパール粒大で3回使用しました。
全体がしっとりとして、だいぶ傷が目立ちにくくなりました。動画でもスタッフが言っていたように、急ぎでとりあえずケアしたい時に最適ではないでしょうか。
糸のほつれ
糸のほつれ:糸をカット、ライターで1秒未満炙る、すぐに先端を潰す
通常、革製品をミシンで縫い終わったあとに糸の「焼き止め」という作業をハンダゴテを使って工房で行われます。しかし、長く製品を使っているうちに糸がほつれてきてしまうことがありますよね。
今回は、牛革のキーカバーを使って、そんな時の対処法をご紹介したいと思います。はさみとライターを用意します。
糸が長い場合は少し余裕を残して、ほつれた部分を短くカットします。
糸の先端を1秒未満ぱっとライターの火で炙って、溶かしてください。革に5秒以上火を当て続けると黒いすすが付くので、ご注意ください。
溶かした糸の端が固まる前に、ライターの底などを押し当てて糸を潰して、溶かした糸を縫い目にくっつけます。
ほつれていた部分がどこかわからないほどなりました。工房では日常的に行われる焼き止め作業ですが、ライターで初めて試す場合は最初少し怖いかもしれません。火傷に十分ご注意して、ぜひ試してみてください。
著しいひび割れ
ひび割れ:クロス(使い古しのTシャツ)でニベアクリームを塗る
カサカサに乾燥してひび割れてしまった革は、古びてみえてしまいますね。さらに乾燥した状態で、水をこぼしたり、汚れが染み付いてしまうと、通常よりも浸透取れにくくなってしまいます。
先ほど傷の応急処置としてご紹介したニベアクリームですが、同じプルアップレザーの牛革二つ折り財布のひび割れの応急処置としても活用できそうです。同じようにクロスとニベアクリームを用意します。
二つ折り財布の背面部分のひび割れが気になるので、ニベアクリームを使って、セルフケアしていきたいと思います。
パール粒大のニベアクリームをクロスにとって、ひび割れ部分に塗っていきます。
すでにひび割れてしまっているので、元の状態に戻すことは困難ですが、目立ちにくくなりました。さらに、乾燥の進行を食い止めることができます。応急処置としてお勧めします。
角擦れ
角擦れ:クロス(使い古しのTシャツ)でニベアクリームを塗る
お財布は毎日使うアイテムですし、バッグの中でいろいろなものと接触することが多いので、角が擦れやすいアイテムです。特にブラックやネイビーなど濃い色のお財布ですと、擦れて色合いが薄れてどうしても目立ってしまいます。そのまま放っておくと、革の内部まで傷が進行してしまい、修理が困難になってしまいます。
そうなる前に、こちらのプルアップレザーを使用した牛革二つ折り財布も傷とひび割れのセルフケアに続いて、ニベアクリームを使って応急処置をしてみます。クロスとニベアクリームを用意します。
角なのでクリームは少量のほうが塗りやすいので、画像くらいの量のニベアクリームをクロスに取ります。
角スレが目立たなくなるまで、財布の片側の側面に対してクリームを少量クロスにとって全体に塗っていく同じ作業を3回繰り返しました。
擦れによる色落ちが解消され、ツヤとネイビーの色味が少し戻り目立ちにくくなりました。さらにクリームで油分を補給することで、擦り傷がつきにくくなるという効果もあります。
変形・型崩れ
変形・型崩れ:内側から押す、ラインを引っ張る
お財布は、中身を入れすぎてしまったり、お尻のポケットにいれて形崩れしてしまう時があります。形崩れを起こしているお財布は、くたびれて見えてしまいますよね。型崩れを整えるだけでも全体の印象は良くなります。今回アイテムは不要で、手作業で行います。
角部分は、内側から押し出して形を整えます。しっかり角が出るように念入りに押します。
サイドや底ラインの歪みは、変形が気になる部分を引っ張り、伸ばすようにしてもとの形に戻します。革が固めの場合、かなり力を入れても問題ありません。
まとめ 「金具の破損」「複数の傷や糸のほつれ」「ひび割れ」「角スレ」「変形」の応急処置
今回は、革財布の買い替えサイン5つを身近なもので応急処置!「金具の破損」「複数の傷や糸のほつれ」「ひび割れ」「角スレ」「変形」を所有時間3分でできるセルフメンテナンスをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
実際に試してみて、応急処置用の簡単なケアなので3分もあればできてしまうことにびっくりしました。また、ニベアクリームが「複数の傷」「ひび割れ」「角スレ」の3つに対応していて、ハンドクリームとしてだけでなく使い古したお財布の見栄え改善に大活躍でした。
ご家庭にあるアイテムや手作業で手軽にできる対処方法なので、ぜひお試しください。
新しいお財布に買い換えるまでの少しの期間、どうしても応急処置したいという方のお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。