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革財布のひび割れの原因とは?買い替えのサインやセルフメンテナンスの方法を徹底解説!
今回は、買い替えサインが出ているお財布を使っている方のために、次のお財布に買い換えるまでの間にできる金具の破損・傷・糸のほつれ・角擦れ・変形の5つのサイン別に身近なものを使った応急処置(セルフメンテナンス)方法をご紹介します。
そろそろ革財布を買い換える時期とは分かっていても、次のお財布を拘って選びたかったり、買い物に行く時間を確保できなかったりと、すぐに新しいお財布を用意できない方もいるのではないでしょうか。
今回ご紹介する方法では、用意するアイテムはおうちにある身近なもので、3分あれば応急処置ができてしまいます。ビフォーアフター画像も載せてますので、見てみてください。
当記事を参考に革財布を買い換えるまでの期間をしのぐお手伝いができれば幸いです。
革財布のひび割れの5つの原因
原因①乾燥で柔軟性を失う
革は天然素材のため、時間の経過とともに水分が失われ、乾燥します。乾燥した革は柔軟性を失い、ひび割れが生じやすくなります。特に冬場や乾燥した環境下では、この傾向が顕著に見られます。
原因②水や湿気によるもの
革財布は水や湿気に弱いです。水分を吸収すると、乾燥時に革の繊維が収縮し、ひび割れが発生します。特に、濡れたまま長時間放置することは、革に大きなダメージを与えます。
原因③直射日光で紫外線の影響を受ける
直射日光は、革の繊維を分解し、乾燥を促進させます。そのため紫外線を長時間浴びると、革が硬化し、ひび割れが生じやすくなります。
原因④摩擦が繰り返される
ベルトやバッグなど、特に摩擦の多い部分は、繰り返し擦れることで表面が傷つき、ひび割れの原因となります。
原因⑤ケアクリームの拭き忘れ
クリームの拭き残しは、革の表面に硬い膜を作り柔軟性を失わせることで、ひび割れを加速させる要因となります。一度クリームが硬化してしまうと、新しいクリームが浸透しにくくなり、クリームの層を作ってしまう悪循環を生み出すため、注意が必要です。
革財布のひび割れの予防方法3選
①直射日光を避けた涼しい場所に保管する
革財布は、直射日光を避けた涼しい場所に保管することが大切です。紫外線は革を劣化させる原因です。長い時間、日光を浴びてしまう場所での保管は避けましょう。
②できるだけ強い力を加えず優しく扱う
ベルトやバッグは、できるだけ強い力を加えることなく、丁寧に扱いましょう。摩擦や引っ張りは、革の表面に負担をかけることになり、ひび割れの原因です。
③防水スプレーを使う
革財布を水や湿気から守るために、防水スプレーの使用がおすすめです。防水スプレーを使うことで、革の表面に保護膜ができ、水分の浸透を防いでくれます。特に、雨が降りそうな日や湿度が高い日は、お出かけ前に防水スプレーを使用しておくと安心です。
革財布がひび割れした際の対策方法3選
①革専用のクリームやオイルを使う
ひび割れが発生してしまったら、まずは革専用の保湿クリームやオイルを使って、革に潤いを与えることが先決です。保湿をすることで革が柔らかくなり、ひび割れの進行を食い止めることができます。
②日常的なケアや使用方法を改める
ひび割れが発生した場合には、日常的なケアや使用方法を改めることも必要かもしれません。乾燥や摩擦、紫外線などが影響を与えていませんか?必要であれば、定期的なメンテナンスを行いましょう。
③革製品の専門修理サービスに依頼する
大きなひび割れや重要な部分のダメージは、革製品の専門修理サービスに依頼することがおすすめです。プロの技術でメンテナンスしてもらうことで、革製品を再び美しい状態で使用できるようになるでしょう。
革財布のひび割れ以外の5つの対策方法
前回の記事▶︎「革財布の寿命って何年?買い替えサイン5つと長持ちする財布を選ぶコツ3つ」では、革財布の買い替えサインを5つ紹介しました。そのサイン「金具の破損」「複数の傷や糸のほつれ」「ひび割れ」「角スレ」「変形」に対してできる応急処置を早速紹介していきます。
①金具の破損への対策方法
金具が破損した際の対策について紹介します。
ファスナーの滑りが悪い:ファスナー にロウソクを塗る、10回開閉する
お財布の金具トラブルで多いのがファスナーの開閉ではないでしょうか。支払いの際にファスナーがうまく開閉できなければ、使うのが億劫になってしまいますよね。少しの引っかかりが気になる場合、ローソクを使えば簡単に改善できます。
詳しい記事▶︎【革のきほん】家庭でも出来る!ファスナーが硬くなった時の応急処置
ジッパーの滑りが悪くファスナーがうまく開かない場合には、ロウソクを使用します。
ファスナーを閉じた状態で、全体に薄く、優しく滑らせてロウを塗っていきます。この時の注意点は、強くガリガリとやらないことです。ロウが削れて粉が出てきてしまうので、優しく塗ってください。
引っ掛かりがひどい場合には、ファスナーを開けて、裏側からも同じように塗ってください。塗った部分を手で伸ばし、ファスナーにロウを馴染ませます。さらに、全体にしっかり馴染むように何度か開け閉めを繰り返してください。
10回程度開閉を繰り返しても引っかかる箇所があれば、もう一度その部分にロウを塗り、再度開閉を繰り返してください。
こちらの方法でファスナーの滑りが改善されると思いますので、ぜひお試しください。
②複数の傷への対策方法
革製品の表面に複数の傷があるときの対策方法について紹介します。
複数の傷: クロス(使い古しのTシャツ)でニベアクリームを塗る
お財布を使っていくうちに傷は増えていきます。ケアしたいけれど、レザークリームが家にない方もいると思います。そこで今回は、より家庭で身近な存在のニベアクリームをレザークリームとして代用する方法をおすすめしたいと思います。
ニベアクリームで革財布のケアはできるのか?
スタッフの感想「とりあえずの応急処置なら…?という感じです。レザークリームの値段ともそこまで大差がないのでよほどのことがない限りはレザークリームがオススメ。塗り始めの部分が少し残りやすいのも気になりました。急ぎでとりあえずケアしたい時くらいにした方が良さそう。」
といった感じでした。結果、今回の買い替え前の応急処置にニベアクリームを使ってみても良さそうです。
本格的なケアには、コロニル1909シュプリーム クリームがおすすめです。詳細はこちらからご覧いただけます。
コロニル1909シュプリーム クリーム ¥3,300(税込)レザークリームとニベアクリームの成分比較
動画でも紹介していますが、ニベアの成分のほとんどが油性成分です。レザークリームは【水(水性成分)・オイル(油性成分)・ロウ】がベース。水性成分と油性成分が使われているという括りでは、ニベアとレザークリームは類似性があります。
【ニベア成分】
■水性成分:グリセリン
■油性成分:ホホバ油/ミネラルオイル/ワセリン/シクロメチコンラノリン/アルコール/スクワラン/オレイン酸デシル/オクチルドデカノール/水添ポリイソブテン/イクロクリスタリンワックス/パラフィン
また、ニベアに含まれる油性成分はほとんどが石油由来です。石油由来の成分はベビーオイルなどにも使用されるので、肌と革にも安心してお使いいただけます。
クロスの種類はコットンを使用
今回ニベアクリームを使用したのは、プルアップレザーを使用した牛革長財布です。用意するアイテムは、ポリッシングクロスとニベアクリームです。
ポリッシングクロスの代用品として、きめ細かさは劣ってしまいますが応急処置には同じコットンを使用している使い古したTシャツなどの布でも大丈夫かと思います。
革製品を多く使っている方でしたら、一枚持っておくとケアに役立ちます。
複数箇所に傷がある状態のお財布です。こちらをニベア のクリームを使って、傷を目立ちにくく応急処置していきます。
パール粒ほどのニベア クリームをクロスに取ります。
円を描くように塗っていきます。こうすることで、まんべんなく伸ばすことができます。伸びがそこまで良くないので、足りない場合にはクリームをその都度追加します。
クリームを塗りながら、傷部分はクロスで強めに擦ると目立ちにくくなります。縫い目に入ると少し取れにくいので、クロスでクリームを馴染ませてあげてください。
長財布の片側分の使用量として、ニベアクリームをパール粒大で3回使用しました。
全体がしっとりとして、だいぶ傷が目立ちにくくなりました。動画でもスタッフが言っていたように、急ぎでとりあえずケアしたい時に最適ではないでしょうか。
③糸のほつれへの対策方法
革製品の人がほつれてしまった時の対策方法を紹介します。
糸のほつれ:糸をカット、ライターで1秒未満炙る、すぐに先端を潰す
工房では、革製品をミシンで縫い終わったあとに、糸の「焼き止め」という作業をハンダゴテを使って行います。しかし、長く製品を使っているうちに糸がほつれてきてしまうことがありますよね。
今回は、牛革のキーカバーを使って、そんな時の対処法をご紹介したいと思います。はさみとライターを用意します。
糸が長い場合は少し余裕を残して、ほつれた部分を短くカットします。
糸の先端を1秒未満ぱっとライターの火で炙って、溶かしてください。革に5秒以上火を当て続けると黒いすすが付くので、ご注意ください。
溶かした糸の端が固まる前に、ライターの底などを押し当てて糸を潰して、溶かした糸を縫い目にくっつけます。
ほつれていた部分がどこかわからないほどになりました。工房では日常的に行われる焼き止め作業ですが、ライターで初めて試す場合は最初少し怖いかもしれません。火傷に十分ご注意して、ぜひ試してみてください。
④角擦れへの対策方法
角擦れをしてしまった時の対策方法について紹介します。
ひび割れ:クロス(使い古しのTシャツ)でニベアクリームを塗る
カサカサに乾燥してひび割れてしまった革は、古びてみえてしまいますね。さらに乾燥した状態で、水をこぼしたり、汚れが染み付いてしまうと、通常よりも浸透取れにくくなってしまいます。
先ほど傷の応急処置としてご紹介したニベアクリームですが、同じプルアップレザーの牛革二つ折り財布のひび割れの応急処置としても活用できそうです。同じようにクロスとニベアクリームを用意します。
二つ折り財布の背面部分のひび割れが気になるので、ニベアクリームを使って、セルフケアしていきたいと思います。
パール粒大のニベアクリームをクロスにとって、ひび割れ部分に塗っていきます。
すでにひび割れてしまっているので、元の状態に戻すことは困難ですが、目立ちにくくなりました。さらに、乾燥の進行を食い止めることができます。応急処置としてお勧めします。
角擦れ
角擦れ:クロス(使い古しのTシャツ)でニベアクリームを塗る
お財布は毎日使うアイテムですし、バッグの中でいろいろなものと接触することが多いので、角が擦れやすいアイテムです。特にブラックやネイビーなど濃い色のお財布ですと、擦れて色合いが薄れてどうしても目立ってしまいます。そのまま放っておくと、革の内部まで傷が進行してしまい、修理が困難になってしまいます。
そうなる前に、こちらのプルアップレザーを使用した牛革二つ折り財布も傷とひび割れのセルフケアに続いて、ニベアクリームを使って応急処置をしてみます。クロスとニベアクリームを用意します。
角なのでクリームは少量のほうが塗りやすいので、画像くらいの量のニベアクリームをクロスに取ります。
角スレが目立たなくなるまで、財布の片側の側面に対してクリームを少量クロスにとって全体に塗っていく同じ作業を3回繰り返しました。
擦れによる色落ちが解消され、ツヤとネイビーの色味が少し戻り目立ちにくくなりました。さらにクリームで油分を補給することで、擦り傷がつきにくくなるという効果もあります。
⑤変形・型崩れへの対策方法
革財布の形が変形してしまった時の対策方法を紹介します。
変形・型崩れ:内側から押す、ラインを引っ張る
お財布は、中身を入れすぎてしまったり、お尻のポケットにいれて形崩れしてしまう時があります。形崩れを起こしているお財布は、くたびれて見えてしまいますよね。型崩れを整えるだけでも全体の印象は良くなります。今回アイテムは不要で、手作業で行います。
角部分は、内側から押し出して形を整えます。しっかり角が出るように念入りに押します。
サイドや底ラインの歪みは、変形が気になる部分を引っ張り、伸ばすようにしてもとの形に戻します。革が固めの場合、かなり力を入れても問題ありません。
まとめ:革財布のひび割れなどの買い替えサインには日常的なケアが重要
今回は、革財布の買い替えサイン5つを身近なもので応急処置!「金具の破損」「複数の傷や糸のほつれ」「ひび割れ」「角スレ」「変形」を所有時間3分でできるセルフメンテナンスをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
実際に試してみて、応急処置用の簡単なケアなので3分もあればできてしまうことにびっくりしました。また、ニベアクリームが「複数の傷」「ひび割れ」「角スレ」の3つに対応していて、ハンドクリームとしてだけでなく使い古したお財布の見栄え改善に大活躍でした。
ご家庭にあるアイテムや手作業で手軽にできる対処方法なので、ぜひお試しください。
新しいお財布に買い換えるまでの少しの期間、どうしても応急処置したいという方のお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。