こんにちは。制作の山崎です。 前回革製品を水から守る対処法を紹介しました。今回は、財布や鞄などのファスナーの滑りが悪くなってしまった時の応急処置についてです。

「雨の日予防、水から革を守る。」

金属製の金具は毎日使っていれば手の油分でコーティングされ、あまり硬くなるということは無いのですが、しばらく使っていなかったり、汚れが溜まってしまって硬くなったりすることがあります。

1.ファスナーが硬くて、引っかかる!そんな時には。

ファスナーが固い時の対処法

お財布を使う際にファスナーがうまく開かない。使うのが億劫になってしまいますよね。基本的には販売店や修理専門店にお持ちいただくのがベストですが、「少しの引っかかりが気になる程度で修理に出すのはちょっと、、、」「お財布自体が古く、もし手軽に改善出来るなら直したい、、、」そんな時には是非試して欲しい方法です。

2.ロウソクが潤滑剤代わりに

家庭で出来るファスナー修理

使用するのはどこにでもあるロウソクだけです。まずはファスナーに付いている汚れやホコリをブラッシングして取り除きます。ご家庭では歯ブラシ等を使っていただいても大丈夫です。

財布のメンテナンス

全体に薄く、優しく滑らすような感じでロウを塗っていきます。しっかりとロウを金属部分に塗布するために、あまり慎重にならずにしっかりと塗り、その後隙間に入った粉などは歯ブラシで掻き出すように掃除するとやり易いです。

家庭で出来るファスナー修理

引っかかりがひどい場合はファスナーを開けて、裏側からも同じように塗って下さい。塗った部分をさらに手で伸ばしてあげるような感じでファスナーに馴染ませていきます。

家庭で出来るファスナー修理

あとはファスナー全体にしっかりと馴染むように、何度か開け閉めを繰り返して下さい。10回程度開閉を繰り返しても引っかかりが残る箇所は、もう一度ロウを塗り、再度開閉を繰り返して下さい。また、この方法では固形のロウを塗布しているので少し時間を置いて馴染ませるというのも有効です。

ファスナーのメンテナンス

作業はこれだけです。ロウソクはコンビニなどでも簡単に手に入るので、手軽な方法ではないでしょうか。

3.それでも治らない時は

だいたいはこの方法で改善されますが、金属がまだ引っかかるという場合は KURE 5-56のペンタイプという便利なものもあります。

kure556

金属等の潤滑剤の専門店で、スプレータイプが有名ですが、スプレータイプだと細かい部分への塗布が難しく、液だれで本体を汚してしまう恐れもあるので、ご自身で治したいという方はこちらのペンタイプをオススメします。金属のサビ落としにも有効なので、ファスナーに限らず、一本持っておくと何かと便利だと思います。

今回紹介した方法は専門的な方法ではなく、ご家庭でも出来る応急処置ですので、やはり不安な場合は固い状態で無理に使用せずに販売店や、修理専門店にお願いすることをオススメします。

4.ファスナー部分が錆びている場合の応急処置

錆びたファスナーの応急処置

では上記のKURE 5-56のペンタイプなどがあれば良いですが、常備していなかった場合、金具の引っかかりにとどまらず、ファスナー部分が錆びてしまっている時の応急処置はあるのか?こちらも状態によりますが、いわゆる金具部分でできる「青サビ(緑青:ろくしょう)」の除去の仕方をご紹介します。

比較的少ない部分に青サビが見られる場合 しばらく使用せずにしまい込んでいた財布やバッグなどの保管状態によって青サビは発生してしまいますが、まずは「綿棒」や「爪楊枝」を使用して除去することが可能です。サビ部分を綿棒でこすり取り除去しましょう。ファスナーの凸凹で拭き取りにくい箇所は爪楊枝で掻き出すように行います。綿棒も爪楊枝も掃除箇所ごとに綺麗なものに替えて使用しましょう。せっかく除去したカビを他の部分に広げてしまったり、本体の革部分などを汚してしまう恐れがあります。

サビが広がっていたり状態が悪い場合 広範囲にサビが広がっていたら「もう使えないか、、、」と諦めてしまいがちですが、試してみる方法はあります。家庭にある「お酢&塩」で広がった青サビも除去できる場合があります。

1、お酢を使う場合は酢と塩を半々程度の割合で混ぜ合わせます。

2、混ぜ合わせたものを布に取り、青サビ部分にしっかりと吸着させてから拭き取っていきます。頑固な場合は歯ブラシなどを使って細かく掃除していくと良いでしょう。

3、ニオイが残らないように薄めた中性洗剤などで拭き取り、最後に乾拭きして水気を取ります。

最新版!家庭でできる応急処置をまとめた記事はこちら

家庭でできる革修理

ファスナーの不具合以外にも、ホックの緩みや糸のほつれ、革の傷などの応急処置に役立つ最新記事をアップデートしました。ぜひこちらの記事も参考にしていただければと思います。

それでは今日はこの辺で。ありがとうございました。

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